懐かしの『電脳倶楽部』をX68000エミュレータで動かすにょ

 ミニ筐体の「X68000 Z」とかいうのが出るということで、巷ではX68000の話題が賑やかにょ。あすかも昔はX68000 PRO-HDとかいう機種を使ってたのだけど、さすがにもう実機は使えないにょ。
 その昔、「EX68」とかいうエミュレータを使ったことがあったけど、PCが非力だったのか、あまり使えなかった記憶があったのだけど、最近それなりのスペックのPCを買ったので、評判の高い「XM6 TypeG」とかいうエミュレータを使ってみることにしたにょ。

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 「XM6 TypeG」の関連ファイルと、シャープから公開されてるOSの関連ファイルを落としてきてインストールするにょ。「XM6 TypeG」の凄いところはSASIのHDDだけじゃなく、SCSI関連のデバイスもエミュレータレベルで増設できることや、内蔵音源(OPM、ADPCM)だけじゃなく、MIDIさえもPCというかWindowsの音源を使って再生できるところにょ。
 ただし、シャープから公開されているHuman-68kのシステムからはFM音源用のOPMドライバが削除されているため、そのままではFM音源が使えないにょ。そこで、純正のOPMドライバと互換性のあるZ-MUSIC Ver.2(Ver.3ではない)を使うにょ。

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 HDDが使えるのでSX-WINDOWとかもインストールするにょ。これも公開されているファイルではピンボールとかシャーペンのコンソール機能とかが削除されているのだけど、無くて困るようなものでもないにょ。
 昔「EX68」用に実機のHDDから吸い出したイメージファイルが発掘できたので、いろいろ使えそうなものを探すにょ。とりあえず、自作のマインスイーパーみたいなものが出てきたにょ。

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 さて、X68000といえば満開の電子ちゃんでお馴染みの『電脳倶楽部』だにょ。「電源オンですぐ起動。マウスひとつで楽々操作。楽しいゲームに便利なツール」とはいっても、さすがに現在は5インチFDDの環境なんて無いので、末期に出てたCD-ROM版を動かしてみるにょ。

 「XM6 TypeG」でCD-ROMソフトを扱うのはそう難しくはないにょ。SCSIデバイスの設定でCD-ROMドライブを有効にし、CONFIG.SYSにCD-ROMドライバを組み込み、CD-ROMをISOイメージしたファイルをドライブにセットすれば普通に使えるにょ。
(ただし、CD-ROMドライバは純正のものがないので、別途入手が必要。さすがに計測技研製のものは無理だろうけど、互換性のあるフリーのドライバがVectorのライブラリにあったはずにょ)
 ただし、これはシングルセッションのCD-ROMの話にょ。CD-ROM版『電脳倶楽部』の多くのものは、CD-DAのオーディオトラックの入ったマルチセッションになってるにょ。規格上、マルチセッションのディスクはISOイメージに取り込むことが出来ないにょ。
 取り込みソフトの中にはマルチセッションのディスクでも独自のデータ形式でイメージを取り込むことが出来るものもあるけど、「XM6 TypeG」がISOイメージファイルにしか対応していないのでどうにもならないにょ。

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 しかし、CD-ROMのファイル内容自体はWindowsでも読めるにょ。そこで、Windowsで読み取ったファイル構造を、WinDrvを介してエミュレーター上のX68000に渡して動かすことにするにょ。
 ファイルの送り先はCD-ROMと同等に扱えるように、SCSIデバイス上のMOにするにょ。普通にそのまま使えるようにするには、「XM6 TypeG」でMOイメージを作るときにHDD互換のフォーマットを選ぶにょ。容量はCD-ROM1枚分の640MBより小さくなるけど、CD-DAの分は入れないので大丈夫だろうにょ。
 なおCD-ROMドライブと違って、このMOはHDDと同様の扱いになるため、システム起動時に入ってないとドライブとして認識されないのには注意が必要にょ。

 X68000はCD-ROMから起動できるようにはなっていないので、CD-ROM版『電脳倶楽部』も起動用のFDを作ってそこから起動するようになってるにょ。
 まずフォーマット済みのFDイメージをドライブ0に入れるにょ。次にCD-ROM版『電脳倶楽部』のルートに「FDIMG.X」というファイルがあるので、それを実行すると、起動用FDが作成されるにょ。
 ただし、起動用FDをそのまま起動して動作するのは本体がCD-ROMにある場合だけにょ。本体がMOにある場合はAUTOEXEC.BATを書き直す必要があるにょ。元の起動ディスクのAUTOEXEC.BATでは、CD-ROMドライブを探してそのドライブに移動し、DSHELL(『電脳倶楽部』の表示用ブラウザソフト)を立ち上げているので、ドライブの移動先を強制的に(自分が『電脳倶楽部』を動かす環境での)MOのドライブに変更するにょ。

 そうやってシステムをリセットし、起動用FDから立ち上げると『電脳倶楽部』がちゃんと動くにょ。

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 これは通常発行分では最後の、第147号の『電脳倶楽部』にょ。
 DSHELLの立ち上げ前に動画を再生したりして、FD版の頃より派手になってはいるけど、以前はDSHELL画面の冒頭にあったCUTイラストがこの号にはなかったりして、何か寂しい感じがするにょ。
 入ってるツール類にネットアクセス関係のものがあるのは、X68000の全盛期にはまだ無かったものなので目新しさは感じるけど、反対に多くのユーザーに共通して便利に使えるようなものがほとんど無くなってるところに末期的な印象を受けるにょ。

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 通常版の最後の号ということでおまけのようなものが入ってたりするけど、興味深かったのは、この頃はすでに故人になっていた祝一平氏が生前にこだわりで作ってた『雷語(サンダーワード) Ver 1.2』がソース付きで入ってたことかにょ。

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 ちなみにCD-ROM版『電脳倶楽部』のCD-DAに何が入ってるかというと、音楽の投稿作品がMIDIだった場合に対象のMIDI機器が無い環境でも楽しめるように、その演奏データが収録されているにょ。

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